2013-04-19

本当に言いたい(伝えたい)事。

先に書きますが、ロックンロールなんて勢いだ、ましてやパンクなんだから
そんな小難しいこと言って、気にしてどーする?という方は今回は読まない方向で、
いや読んで頂きたいのはヤマヤマですが、まあロックンロールっぽくない
しみったれた文章だなという印象をもたれるかもしれません。そんな話です。

最近読んだ1冊で「街場の文体論」という本があります。
はまりにはまっている内田樹氏の30年に渡る大学教授としての最後の授業を(講義)を
1冊にまとめたもので、発売当初は(もちろん今でも)随分話題に上がった1冊です。

内田氏が最終講義で『これだけは伝えたい』と教壇でかたられた
「クリエイティブ・ライティング」の全14講。
その内容を余すことなく1冊にまとめた、大変意味のある1冊。

「クリエイティブ・ライティング」って何さ?
届く言葉、届かせたい言葉。伝えたい言葉、伝えなければいけない言葉。
ぼくは、そう解釈しております。まだ2回しか読んでないのですが・・・。

色々引用したい言葉は山ほどあるのですが
前後のページを読むか読まないかによってその言葉のもつ
印象がだいぶ変わってしまいますので
本当に「それって何さ?」と思ったかたは一読をオススメいたします。

中でもグッと来たのが、ちょっと長い引用ですが、
・言語は道具ではない
英語を学ぶとき、君たちを英語学習に動機づけようとすると、
「英語ができると10億人とコミュニケーションできますよ」
という方向に行ってしまう。
でも「自分がいいたいこと」を外国語で言いましょうという動機づけではほんとうは
外国語は学べないんです。方向が逆だからです。
外国語の学習というのは、本来、自分の種族には理解できない概念や
存在しない感情、知らない世界の見方を、他の言語集団から学ぶことなんです。
〜中略〜
本来、外国語というのは、自己表現のために学ぶものではないんです。
自己を豊かにするために学ぶものなんです。
自己を外部に押しつけるためではなく、外部を自分のうちに取り込むために学ぶ
ものなのです。
(街場の文体論 内田樹著 ミシマ社刊より引用)
他にも
自分を、ブレイクスルーするためには、手持ちの言葉で文章などを
書いていたのでは、だめ。
いわゆる「オリジナル」信仰では
あたらしい表現は生まれない。というような事も(だいぶ荒削りに書きましたが)みうけられます。

そもそもなんでボクがこの手の本を読む様になったのか?
答えは単純で「頭が良くなりたかった」本当は
「頭が良いと思われたかった」んです。
勉強が苦手というか嫌いだった事を出来るだけかっこよく片付けたかった
のかもしれません。
いずれにせよ劣等感は拭いきれていなかったみたいです。

やっとロックンロールの話になります。

そんなボクがロックンロールを信じて
聴き続けてきて、最近になり色々な意味で
形になりつつあります。
その形のひとつに仲間と言うものがあります。
彼らはいつでも、ぼくの憧れの的です。
そんな彼らと同じ時間や感覚を共有出来る様になった
ここ数年は信じて来たものがまちがっていなかったのだなと
思え、なんとも言えない気分になる事があります。
(先日のFLAMIN GROOVIESのライブなどは良い例です。)
それに、ボクが頭良く思われたいな〜。なんて思いこそこそ読んで
手に入れたつもりの知識をもっと(ボクにとって)判りやすく
伝えてくれていました。
しかもそれらは、自己を豊かにするためのポイントばかりだと思います。

つまらんオリジナル1曲こさえるくらいなら、イカすRock'n'Roll 100曲コピーしてモノにしたい。」「それを抽出して結晶に出来れば、自分なりの『Shake Some Action』が産まれるに違いないんだ。」「大好きになったRock'n'Roll を、ターンテーブルで再生しながら「こーかなぁ?」と何度も何度も耳コピして身に付ける。その繰り返しの中で、時代も国境も、年齢も性別も超越出来る「センス」が芽生えるんだ。」

これはまさに内田樹センセが本の中で語っていた事なんじゃないかなと。
この発言を目にした時の衝撃と感動は
まさに『SHAKE SOME ACTION』!

自己を豊かにするすべは、本来の表現というものは、
外国語でも、ロックンロールでも(このような個人ブログでも(笑))同じ
出来る事、判っていることだけで表現しても
ものたりないモノになってしまう。
真のオリジナリティとか、自分だけの表現なんてものは
その先の先の話。
まずは先人達が残してくれた音楽や文学に繰り返し触れる事が大切。
GROOVIESを観た夜実はこんな事を考えていました。

発言の使用を快く許諾してくださった、センパイ(HighLife)!
そしてこんな風に書こうと思わせてくださった内田樹先生(当然ながら面識は御座いませんが)!
本当にありがとうございました!


(H)

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