2017-06-28

Kevin Morby / City Music


元WOODSのベーシストであり、キャシー・ラモーン(元Vivian Girls)とともにThe Babiesとしても活動、という説明はもういらないかな?
コンスタントに新作をリリースするKevin Morbyの早くもソロ4作目。

過去のブログ掲載

前作「Singing Saw」でWOODSのJeremy主宰のレーベルWOODSISTからDead Oceansへ移籍し、シンガーソング・ライターとしてひとつブレイクスルーした感があるKevin Morby。
「Singing Saw」製作後すぐにレコーディングに入った今作は、前作を「明」とするならば対となす「暗」(音がダーク、という訳ではないですよ!)。
米中西部カンサス・シティからわずかなお金を持って、憧れのニューヨークへと移り音楽活動を始動、その後L.A.へ転居した彼の「ニューヨークへの思い」や「都会での孤独」についてが今作のテーマ。
ボブ・ディランやレナード・コーエンを思わせる詩的なソングライティングを見せていた前作とはまた一転、アルバム製作時に読んでいたというフラナリー・オコナーの小説「烈しく攻むるものはこれを奪う(Violent Bear It Away)」やパティ・スミスの「M Train」からの影響と、そしてThe Babiesでのパンク・スピリットを歌とギターに消化しています。
ジム・キャロル「People Who Died」とザ・ラモーンズへと捧げた3コード2分間ロックンロール「1234」、The Germsの「Caught In My Eyes」のアコースティック・カヴァー、
そして、Meg Braidによる既出のフラナリー・オコナーの文の朗読と(朗読の許可が出なければアルバムのリリース自体を断念していたかもしれない、というほどの強い思い入れがあった模様)、Televisionを思わせるギターのリフレインで始まるタイトル曲「City Music」。
今回はRichard Swiftをプロデューサーに迎え、アルバムごとにソングライターとしてもギタリストとして着実に実力と魅力を増している、ノっているのがひしひしと伝わってきます。
最近のWOODSがどんどん、アフリカン・ジャズやファンクに傾倒しているのに対して、N.Y.パンクを牽引してきたアーティストのソングライティングを受け継いでいるKevinは、お互いリスペクトしつつ違う方向へと進んできていたのだなあ、と感じます。ギターもどんどん上手くなってきてる気がするし、ヨーロッパ・ツアーも好調の様子!ギタリストのソロ・アルバムが好み、という方に特にオススメです。

 Kevinの前作やバンドのギタリストMeg DuffyのソロHand Habitsなど関連作を集めたコーナーもぜひご覧ください!


2017-06-10

BACK TO BASICSについて再び書く



遂にアルバムがリリースされた。
『待ちに待った』という言葉がここまで似合うアルバム、バンドもそうそう無い。
今回も批評なんか書くつもりは全く無いです。それでもよかったら読んでください。

過去数回ブログに書き綴った。
初めてライブを観た感想やら何やら。
その時意識していたのは
自分がどれだけパンク・ロックが好きかとか
自分がどれだけ彼らのことを知っているかとか。
しかし俺は正直パンクでもなければ、よく知ってるわけでもない。

最近の俺。
もちろんパンクも好きだがそれと同じように、それ以外にもたくさんの音楽や本が好きで、
そしてパンク・ロックも心底好きで、日々ライブをしたりライブ会場に足を運んだりして、
それらを追い求めているみんなが羨ましくまた、ペースや価値観を彼らに合わせなければならないのかな?という勝手なジレンマや思い込み、そして何よりも憧れ。

数年前BTBとミスキャストが
西荻窪でライブをやったときもBTBがアンコールで
最後はこれだ!みたいな感じで(多分すごい有名な曲だと思う)カヴァーをやったんだ。
けど
俺はそれが誰のカヴァーかわからずに帰ってきた。
こういうのは余計な話かもしれないけれど。
パンクスはパンクのみを聴き、(ルードでナードな)退廃的な生活をしなければならないのかな?なんて強迫観念みたいのものそれと同時に迫害感みたいな物を、どこにいても感じてしまう。

話を戻そう。
BTBのシングルは2枚とも持っている
特に2ndの曲サウンドは本当にたまげた。

正直個人的にジャンルもクソも無いと思っている。
今作を聴いた最初の感想は最高のロックン・ロールのアルバム。
先にあげた2枚のシングルからの曲が最高のアレンジと演奏で再録され
バンドの充実度が感じられる。
すでに聴いた方は納得していただけると思う
最後の「Sweet Soul Music」のアレンジ。
自分の抱いてきたウジウジした気持ちが、一気に晴れる感じ。

最近シンタロウ氏のFacebockの書き込みではジョゼフ Kやおよそパンクロックでないバンドが登場して当たり前ではあるが、その懐の広さやセンスは一辺倒なものでは無いと感じられ
もしや、と思っていたところにこのアルバム。そしてこの曲。

結論を言うと。
ジャンルなんて関係なくパンク・ロックを心底掘り下げた奴らが鳴らすサウンドが
パンク、ということなんだと思う。そんな当たり前且つ大切な事を、気づかせてくれたのがこのアルバムだ。


(H)




 Mr Iの憂鬱② 『テロリストのパラソル』

そもそもの始まりは勘違いだった。

「藤原伊織さん亡くなられて10年くらいたちますよね?フェアとかされないのですか?」
書店の方からご意見を頂いた。

がしかし。藤原伊織が誰かもわからない自分は、なんとなく名前の「伊織」から。。。。鷺沢萠さんの様な女の人で、しかも若くして亡くなられた作家さんなのかな?
なんて事を想像しながら、講談社文庫はかたっぱしから読んでやろう運動の一環もあり
『テロリストのパラソル』を読み始めた。
しかし読み進める途中に色々調べてみたら実際は藤原伊織はペンネームで男性。
しかも結構なおっさんでなんだかがっかりしたり。
(かなりのヘビースモーカーらしく、なくなった原因は肺がんとのこと)

最近はフィクションよりノンフィクション。
文庫より新書に興味が移ってしまい、正直国内の作家で、面白い作品を書く奴なんてもういない(たかが知れてる)さ。
と。高を括っていた。
しかし今作は冒頭の5.6ページで心を鷲掴みされてしまい
それこそ後は一気読み。
登場人物はもちろんストーリーや仕掛けに至る全てが最高。

最近の国内小説に感じる残念なこと例えば、猟奇的な題材で奇を衒うこと、そしてどんでん返しが云々。装丁がアニメテイストだったりすること。

今作にそんな心配は皆無。
無骨ながらも愛おしくそれでいて筋の通った登場人物たちが躍動する様は、痛快以外の何物でも無い。
主人公のアル中のバーテン島村
ヤクザの浅井
主人公が一時期だけ同じ時間を過ごした唯一の女性優子とその娘 塔子
学生運動の同志でありリーダーの桑野

作品全体を通して僕が感じたのは『悲しみ』のトーン。
そして誰がなんのために、この仕掛けを仕掛けたのか?

伊坂幸太郎で知った鮮やかな衝撃は
ここですでに完成されていたと遅ればせながら知ることになった。

チャンドラーの『長いお別れ』が(一部では感じられないとの意見があるようだが)モチーフになっているけれどそれは、ほんの骨組みだけ。

もう今では夢のような話だけれども
今まだ前職を続けていたらきっと山積みして売ったろうし、売りたい1冊。

前職で結構俺本詳しいぜーとか言いながら、この1冊を知らなかったことの恥ずかしいこと。

しかし今この1冊に巡り会えてよかった。今の仕事につけたことを心から感謝したい。

(H)



2017-06-03

Mr.Iの憂鬱①

PCのアクシデント〜(PCの)入院以降ここにログイン出来ない状態が続いておりました。
ようやく色々落ち着いて来たみたいです。

最近改めて色々な音楽(CD,LP)を購入聴き直しみたいな事をしております。
聴き直すも何も初めて聴く音楽も多いのですが
個人的に『聴き直し』作業としております。

過去に単純に聴かず嫌いだった音源や
聴いたけれどあまりピンとこなかった音源
一時期熱心に聴いていたけれど放ったらかしてしまった音源
実は聴きたかったが、聴けずじまいだった音源

そのいずれもが
今改めて聴くと思いの外、心に響いて来ます。
なんかそんなしょうもない感想をポツポツと極個人的に。

『桑田佳祐/Keisuke Kuwata』
ファンの間では、どんな評価なんでしょうこのアルバム。
サザンも含め熱心なファンではないのですが
このアルバムにはずーっと惹かれておりました。
最近改めて安値の中古CDを購入。

サザンにしろソロにしろ、何かこう激しく羽目を外している感じは
やはりあまり共感できずにおります。
「悲しい気持ち」や「いつか何処かで」はやっぱり名曲。
そしてなんといっても中ジャケのスタジオ(?)での写真が最高。
今作では実はギターを弾いていないとのことですが
そこに写るムスタングやテレキャスター、レスポールJr.
きっと彼が好きであろうLPや写真集。
当時愛好していたタバコなど
「あぁ本当にRockが好きなんだな」と思わされるショットには
若かった自分ももちろん今でも憧れますね。
実は、この写真から想像できるシンプルなバンドサウンドを期待していたりします。
奥田民生や斉藤和義が鳴らしているサウンド
本当は彼が一番真っ先に鳴らすはずだった気がします。
出来たはずです。

なんてしょうもない事を想像しながらもっと聴きこんでみたいと思います。

(h)

2017-01-15

昨日から今日にかけてのオレ

ウチの奥さんはわりと縫い物とかする人なのでコレも奥さんの作ったものだと思ってた。
今朝、水まわりを拭こうと思いこれ使って良いか尋ねたところ
何か聞き間違えたのか
奥さんが「捨てられないの」とのこと。
「は?」とこちらが聞き返すと
亡くなられたおばあちゃんが入院中ベットの上でずっと作っていたものとの事。
改めて見回すと、家中ここかしこに緑色の糸で縫ったフキンが。
ずっと君が作ったと思っていたよ。

仕事で立ち寄った上野駅
コンコースにて
地方物産展が開催されていた。
今回は『茨城』
以前水戸に行った際。水戸と言えば『納豆』だろうと購入し、後日その美味しさに驚いた思い出があり、仕事中だったが、なかなか行く事が出来ないだけに小さいパックを購入。
土曜日の昼食に頂く。
買ってきて良かった。
とてもつぶが大きく美味しい。甘みもある。

昨日の夜は、なんとかの一つ覚えでパスタを作った。
今度はペペロンチーノ以外に挑戦したい。
一月無料とのことで動画サイトに登録『深夜食堂』を見る。
四角い卵焼き用のフライパンに憧れたもんだ。

明けて日曜日昼食には
頂き物の讃岐うどん(乾麺)を
朝から出汁をとり
麺をゆでネギをきざみ頂いた。
『深夜食堂』にはまだまだ遠い。

2016年振り返り
『その島のひとたちは、ひとの話を聞かない』(青土社)
『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』(集英社インターナショナル)←これ15年か?
『キッドのもと』(ちくま文庫)
『牛を屠る』(双葉文庫)
『ミッドナイト・ジャーナル』(講談社)
『絶望の国の幸福な若者たち』(講談社+α文庫)
『安住紳一郎の日曜天国』(TBSラジオ)
『ナイツのチャキチャキ大放送』(TBSラジオ)特に10時台の小林アナのコーナー
『Mr.BATER』
『お祭り男』(を、はじめ宮川大輔ワークス)
『Rngsteen/HighLife』(STAY FREE)
『FLASHLIGHTS/SHADOWS and LIGHTS』(STAY FREE)
『YOUNG LIZARD/3 songs EP』(Too Smell RECORDS)
『Konekoh/Found Love e.p.』(24th Dec Records)
後たくさんのアーティストの訃報。とくにデビット・ボウイ。
正直そこまで熱狂的に好きだった訳ではなかったが
無くして改めてその存在の大きさに驚かされた。
以前どこかに書いたし、おれの言葉でもないけれど
『手元にあるウチにしっかり抱きしめる』事を意識したい2017年です。
(H)