2015-08-18

Remembering Mountains : Unheard Songs By Karen Dalton



カレン・ダルトン。(一部の音楽雑誌にはドールトンとの表記もあり)
彼女の壮絶な人生をすこしでも知っているひとは、この名前を聞いただけでなにか、胸をきゅーっとしめつけられるような気持ちになるかもしれません。
オクラホマに生まれ、60年代から70年代にかけて、ボブ・ディランやフレッド・ニールらニューヨークのフォーク界と交流。
その後、ウッドストックのミュージシャンたちとたった2枚のアルバムだけをリリースし、その後はホームレス同然の放浪生活を経て、55歳という若さで亡くなった、フォーク・シンガー、それがカレン・ダルトンです。
その2枚のアルバムでは、The Bandやマーヴィン・ゲイ、古いソウルなどを取り上げカヴァー、その悲しげなハスキー・ヴォイスで歌う姿は、伝統的な歌を受け継ぐフォーク、というよりも、ブルーズやジャズの風味がずっと濃いものでした。

彼女の死後に発見された未発表の詞に、いま活動している女性アーティスト11組が、それぞれカレンへの思いを託し曲をつけた、いわば時代を超えた共作でありトリビュート・
アルバム「Remembering Mountains」。
どのアーティストもカレンの音楽性に重点を置きつつ、彼女から受け取った音楽的影響をひきだしながらつくりあげた素晴らしい曲ばかり。
ますます世界的なアーティストへと変身した(Cafe Goateeで観たのが懐かしい!)シャロン・ヴァン・エッテンは、昨年ソロ・デビューも果たしたThe WalkmenのHamilton Leithauserとの美しいハーモニーを、Patty Griffinは熟練のヴォーカルを、イザベル・キャンベルはコケティッシュな魅力を加え、ジョセフィン・フォスターは圧巻のアカペラ、そしていつもどおりマンドリンの音とともに、とろけていきそうな、タラ・ジェイン・オニールなどなど...。
Marrisa Nadlerや、来日も控えたJulia Holterといった若いシンガーから、豪テクノ界を席巻しつつあるLaurel Haloも参加、(わたしもこのアルバムで初めて知ったアーティストが多数です)幅広い層からの愛を感じとることができます。ドラッグに溺れ、波瀾万丈だったカレンの人生に、もう一度花をたむけるような、そんな唯一無二のトリビュート・アルバムといえるでしょう。
インナースリーヴには、カレン直筆の「Remembering Mountains」の詞が印刷されています。


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