2014-07-13

最近のオレ 2014/07

そもそもなんでヴィレッジ・ヴァンガードだったのか。
話は1999年もしくは、さらに何年かさかのぼる。

当時、組んでいたバンドのライブの打ち上げで
対バンの大学生であったメンバーと話していたとき、どういう経緯かは忘れたけれど
君みたいな奴は「リチャード・バックの『イリュージョン』読むといいよ」
なんて事を言われた。
何だかへんなコンプレックスの塊みたいなオイラ
特に大学生に対する「どうせお前ら遊んでんだろ?」
お前らに負けない位、本読んでるぜー。みたいな。
なんだか恥ずかしい理由から
それなりに本は読んでいた(つもりでいた。)オイラ。
そこへ大学のサークルでバンドをやっているあんちゃんから
知らない本を勧められ「ああ『かもめのジョナサン』なら読んだ事あるよ」なんて
一応、抵抗してみたりしたが。内心は「情けなさ」でいっぱいだった気が。

で。探しに行く訳ですが
無い。何処に言っても無い。
『かもめの』はあっても『イリュージョン』は無い。
ある日偶然見つけたんです。
集英社文庫の棚で。
『かもめの』は新潮文庫
だから勝手にリチャード・バックは新潮文庫と決めつけていた訳で
そりゃ無いよ。ある訳が無い。

で、読んでみたら、その本に出会わなければ今の自分は無いって位衝撃を受けまして
以降自分の大切な1冊に。大学生に対する偏見も「いい本知ってるなー」なんて。

で、ある日友人にさそわれ立ち寄ったヴィレッジ・ヴァンガードの下北沢店
当時CD店で働いていただけに店名を聞いて「なんだよパクリかよ」と思った事をおぼえている。
しかし店内に足を踏み入れた瞬間、そんな自分の思いを吹き飛ばされる事に。
今でこそ珍しくなくなってしまったかもしれないが、書籍やCDそして雑貨が一体となって並べてあるその勢いは、オレの仕事は「ここしか無い」そう思わせるほどだった。

なかでも決め手となったのは
リチャード・バックの本が出版社別では無く
彼の作品はここみたいな感じで普通に並べてあった事。
つねづねあの出版社別の棚に疑問をもっていただけに
「そうだよな」「これだよな」と、ひとり感心していたのは
昨日の様。

そんなヴィレッジ・ヴァンガードを今月で退職いたします。
さいならヴィレッジ・ヴァンガード。
(H)

http://classicsrecords.net/?pid=31832741 お店のリンクをつけました
出来るならばこの村上龍の翻訳した版で読んで頂きたいと思います。ぜひ。





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